新NISA

【新NISA vs 貯金】どっちを選ぶべき?違いと賢い使い分け、始め方を徹底解説!

「将来のためにお金を貯めたいけど、新NISAと貯金、結局どっちから手をつけるべき?」
「新NISAって最近よく聞くけど、これまで通りの貯金と何が違うのか、いまいち分からない…」

2024年からスタートした新NISAは、非課税で投資ができるという大きなメリットがあり、注目を集めています。しかし、これまで「貯金」を堅実に行ってきた方にとっては、「投資」と聞くと少しハードルが高く感じられたり、リスクが心配になったりするかもしれません。

この記事では、そんな疑問や不安を解消するために、「新NISA」と「貯金」の根本的な違いから、それぞれのメリット・デメリット、そしてあなたのライフプランに合わせた賢い使い分けの方法、具体的な始め方までを、順を追って詳しく解説していきます。

この記事を最後まで読めば、あなたはきっと...

  • 新NISAと貯金の役割の違いを明確に理解できます。
  • それぞれの長所と短所を知り、自分のお金をどう配分すべきかのヒントが得られます。
  • 将来の目的に合わせて、貯金と新NISAをどう使い分ければ良いかの具体的な戦略が立てられます。
  • 「投資は初めて」という方でも、安心して新NISAをスタートするための手順が分かります。

漠然とした将来のお金の不安を解消し、ご自身のペースで賢い資産形成を始めるための一歩を、この記事と一緒に踏み出しましょう。

まずは基本から!「貯金」と「新NISA」の決定的な違い

「貯金」と「新NISA」ですが、その目的と性質は全く異なります。この違いをしっかり理解することが、賢い使い分けの第一歩です。

貯金(預金)とは? - 安心・安全にお金を「守る」仕組み

  • 目的: お金を「安全に保管する」ことが最大の目的です。急な出費に備えたり、近い将来に使う予定のあるお金を確実に確保したりするのに適しています。
  • 性質: 銀行などに預けたお金(元本)の安全性が非常に高いのが特徴です。日本では預金保険制度により、万が一金融機関が破綻した場合でも、原則として1金融機関につき預金者1人あたり元本1,000万円までとその利息が保護されます。この「元本保証」の安心感が、貯金の最大のメリットと言えるでしょう。
  • リターン: 預けたお金には金利に応じた利息が付きますが、現在の超低金利時代においては、その額はごくわずかです。例えば、年利0.001%なら100万円を1年間預けても利息は10円(税引前)にしかなりません。物価上昇(インフレ)が進む局面では、お金の価値が実質的に目減りしてしまう「インフレ負け」のリスクがあります。
  • 主な場所: 銀行、信用金庫、信用組合、労働金庫などの金融機関の普通預金口座や定期預金口座で利用します。
  • 税金: 得られた利息に対しては、原則として20.315%(所得税+復興特別所得税+住民税)の税金がかかります。ただし、利息自体が非常に少ないため、現状では税負担を大きく意識する場面は少ないかもしれません。
  • 流動性: ATMや窓口で、原則としていつでも自由に引き出すことができます。この換金のしやすさ(流動性の高さ)は、急な出費への備えとして非常に重要です。

新NISAとは? - 非課税メリットを活かして資産を「育てる」仕組み

  • 目的: 投資を通じて、お金を「増やす(育てる)」ことを目指す制度です。将来の教育資金や老後資金など、長期的な視点での資産形成を後押しするために国が設けた税制優遇制度がNISAであり、新NISAはその拡充版です。
  • 性質: NISA口座を通じて、投資信託や株式といった金融商品を購入します。これらの金融商品は、経済や企業の業績などによって価格が変動します。そのため、元本保証はありません。購入時より価格が上昇すれば利益(値上がり益)が得られますが、逆に下落すれば損失(元本割れ)を被る可能性がある「リスク」を伴います。
  • リターン: 投資対象や市場環境によって、期待できるリターンは大きく変動します。長期的には、経済成長の恩恵を受けて貯金の利息を大きく上回るリターンが期待できる可能性があります。しかし、短期的には価格が下落し、マイナスリターンとなる可能性も常にあります。
  • 利用場所: 証券会社や銀行などの金融機関で専用の「NISA口座」を開設して利用します。通常の預金口座とは別に開設手続きが必要です。
  • 税金: 最大のメリットは、NISA口座内で得られた利益(値上がり益や配当金・分配金)が非課税になる点です。通常、投資で得た利益には約20%の税金がかかりますが、NISA口座を利用すればそれがまるまる手元に残ります。例えば、10万円の利益が出た場合、通常なら約2万円が税金として引かれますが、NISAなら10万円全てを受け取れるため、非常に有利です。
  • 流動性: NISA口座で購入した金融商品は、原則としていつでも売却して現金化することが可能です。ただし、売却時の価格が購入時より低い場合は損失が発生します。そのため、貯金のように「いつでも好きな金額を元本保証で引き出せる」わけではない点に注意が必要です。

ポイント整理

  • 貯金は、元本保証の安心感を最優先し、お金を安全に「守る」ための場所。短期的な資金や生活防衛資金の置き場所として不可欠。
  • 新NISAは、リスクを取って、非課税メリットを活かしながらお金を「育てる」ための制度。長期的な資産形成を目指すための有力な選択肢。

メリット・デメリット比較:あなたの状況や目的に合うのはどっち?

貯金と新NISA、それぞれの特徴を理解した上で、メリットとデメリットを比較してみましょう。どちらが一方的に優れているというわけではなく、あなたの状況やお金の目的に合わせて考えることが重要です。

特徴貯金(預金)新NISA(投資)
目的安全な保管、短期的な資金確保長期的な資産形成、インフレ対策
安全性◎ 非常に高い(元本保証あり ※預金保険制度)△ 元本保証なし(価格変動リスクあり)
収益性× ほぼ期待できない(低金利、インフレに弱い)〇~◎ 大きなリターンも期待できるが、マイナスになる可能性も
流動性◎ いつでも元本保証で引き出し可能〇 いつでも売却可能だが、価格変動により元本割れの可能性あり
税金△ 利息に約20.315%課税◎ 利益が非課税
インフレ× 物価上昇に弱い(お金の価値が実質目減りする)〇 インフレに勝るリターンを期待できる可能性がある
始めやすさ◎ 銀行口座があれば基本的にOK△ NISA口座開設が必要、商品選びに多少の知識が必要
精神的負担◎ 少ない(値動きを気にする必要がない)△ 値動きが気になる、損失の可能性がある

こんな目的に「貯金」が不可欠!

  • 生活防衛資金の確保: 病気、ケガ、失業など、予期せぬ事態に備えるお金は、すぐに使えて元本が減らない貯金が最適です。一般的に、生活費の3ヶ月分から1年分程度が目安とされますが、ご自身の収入の安定度や家族構成に合わせて考えましょう。この資金があるかないかで、精神的な安心感が大きく変わります。最優先で確保するようにしてください。
  • 1~3年以内など、近い将来に使う予定が決まっているお金: 結婚資金、住宅購入の頭金、車の購入費用、子供の学費(直近で必要な分)など、使う時期と金額が決まっているお金は、使うタイミングで元本割れしているリスクを避けるため、安全な貯金で準備するのが賢明です。

こんな目的に「新NISA」の活用がおすすめ!

  • 生活防衛資金や短期的な資金を除いた上で、当面使う予定のない「余裕資金」を増やしたい: 新NISAは、あくまで余裕資金で行うことが大前提です。生活に必要なお金を投資に回してしまうと、いざという時に困ったり、価格が下がった時に焦って売却(狼狽売り)してしまったりする原因になります。
  • 10年、20年といった長期的な視点で、将来のために資産を増やしたい: 教育資金(まだ時間がある場合)や老後資金など、使うまでに時間的な余裕がある資金は、NISAでの長期投資に向いています。時間を味方につけることで、複利効果や時間分散の効果が期待でき、リスクを抑えながらリターンを狙いやすくなります。

【結論】貯金と新NISAは敵じゃない!「併用」こそが最強の戦略

ここまで見てきたように、貯金と新NISAはそれぞれ異なる役割を持っています。「どちらか一方を選ぶ」のではなく、両方のメリットを理解し、目的や期間に応じて使い分ける「併用」 が、現代における最も賢明でバランスの取れた資産形成戦略と言えるでしょう。

理想的なお金の仕分けステップ

具体的にどのように貯金と新NISAを使い分けていけば良いのか、理想的なステップを見ていきましょう。

  1. 【最優先】生活防衛資金を「貯金」で確保する (守りの土台作り)
    • 何よりもまず、生活の基盤となるお金を確保します。これは投資を始める前の大前提です。病気や失業といった不測の事態が発生しても、一定期間(目安:生活費の3ヶ月~1年分)は生活を維持できるだけの現金を、すぐに引き出せる銀行の普通預金などで確保しましょう。この「セーフティネット」があることで、安心して次のステップに進めます。
  2. 【目的別】近い将来使うお金を「貯金」で着実に準備する (短期目標の達成)
    • 生活防衛資金とは別に、1~5年以内といった比較的近い将来に使う予定が決まっているお金(住宅購入の頭金、車の買い替え費用、子供の入学金など)も、リスクを避けて貯金で準備するのが基本です。使う時期が明確な資金を投資に回し、いざという時に価格が下落していては元も子もありません。
  3. 【余裕資金で】長期的な資産形成を「新NISA」で始める (未来への種まき)
    • 上記1と2の資金を確保した上で、さらに手元に残るお金、つまり「当面使う予定のない余裕資金」を使って、いよいよ新NISAでの投資を検討します。教育資金(使うのが10年以上先など)や、老後資金といった長期的な目標を持つ資金が主な対象となります。
    • 最初から大きな金額を投入する必要はありません。 月々数千円や1万円といった、ご自身が無理なく続けられる範囲の少額から始めるのがおすすめです。これにより、投資に慣れ、値動きに対する心構えを養うことができます。大切なのは、焦らず、長期的な視点でコツコツと続けることです。

イメージ:お金の置き場所を目的別に分ける

お金を色分けして、それぞれの置き場所(口座)を決めるイメージを持つと分かりやすいでしょう。

  • 安全タンク(普通預金など): 生活防衛資金 + 短期目的資金
    • 役割: いつでも使える安心感、元本保証
  • 成長タンク(NISA口座): 長期目的資金(余裕資金)
    • 役割: 時間をかけて増やす、非課税メリット活用

このタンクの大きさ(金額の割合)は、あなたの年齢、収入、家族構成、ライフプラン、リスク許容度によって変化します。定期的に見直し、最適なバランスを保つことが大切です。

新NISAの始め方:貯金オンリーだった人も大丈夫!安心の5ステップ

「投資は難しそう」「何から始めればいいか分からない」という方もご安心ください。以下のステップに沿って進めれば、貯金しかしてこなかった方でもスムーズに新NISAを始めることができます。

  1. 金融機関を選ぶ (どこで口座を開くか)
    • 新NISA口座は、証券会社や銀行、信用金庫などで開設できますが、最もオススメするのはネット証券です。対面型の金融機関を利用すると、新NISAではない商品を提案されることもあり、お金を失うことになり得るので、ハードルが高くてもネット証券で開設するようにしてください。
    • ネット証券(SBI証券、楽天証券など):
      • メリット:手数料が安い傾向、取扱商品が豊富、オンラインで手続きが完結し手軽。
      • デメリット:基本的に自分で情報収集や判断が必要、対面での相談は難しい場合が多い。
    • 対面証券や銀行・信用金庫など:
      • メリット:窓口で担当者に相談しながら進められる安心感がある。
      • デメリット:ネット証券に比べて手数料が高めな場合がある、提案される商品が限られる可能性も。
  2. NISA口座を開設する (専用口座の申し込み)
    • 選んだ金融機関で、NISA口座の開設手続きを行います。多くの場合、オンラインまたは郵送で申し込みが可能です。
    • 手続きには、マイナンバーカード(または通知カード+本人確認書類)が必要です。
    • 税務署の審査などがあるため、申し込みから口座開設完了までには数週間程度かかる場合があります。早めに手続きを始めると良いでしょう。
    • 注意点:NISA口座は、原則として一人一口座しか開設できません。 複数の金融機関で同時に開設することはできないので、慎重に選びましょう(年単位での金融機関変更は可能です)。
  3. 投資する商品を選ぶ (何に投資するか)
    • NISA口座が開設できたら、次はいよいよ投資する商品を選びます。新NISAには、年間120万円までの「つみたて投資枠」と、年間240万円までの「成長投資枠」があります。
    • 投資初心者の方は、まず「つみたて投資枠」の活用してみましょう。
      • 理由1:対象商品が厳選されている: 金融庁が定めた基準(長期・積立・分散投資に適している、低コストなど)を満たした投資信託に対象が限定されているため、比較的選びやすい。
      • 理由2:少額からコツコツ積み立てられる: 毎月100円からなど、少額からの積立設定が可能。無理なく始めやすい。
    • つみたて投資枠で人気の商品例:
      • 全世界株式インデックスファンド: 日本を含む世界中の株式にまとめて分散投資。世界経済の成長を享受したい方向け。
      • 米国株式インデックスファンド(S&P500など): アメリカの主要企業(約500社)にまとめて分散投資。力強い成長が期待される米国経済に投資したい方向け。
    • まずは、これらの低コストなインデックスファンドから検討してみるのが良いでしょう。ご自身の考えやリスク許容度に合わせて、無理のない範囲で選ぶことが大切です。
  4. 積立設定をする (どうやって買うか)
    • 「つみたて投資枠」を利用する場合、毎月いくらを、どの投資信託に、いつ(買付日)投資するかを設定します。
    • 一度設定すれば、あとは指定した銀行口座から自動的に引き落とされ、投資信託が買い付けられます。手間がかからず、買い時を悩む必要もありません。また、感情に左右されずに淡々と投資を続けられるというメリットもあります。
    • まずは、家計に響かない月々数千円~1万円程度の少額から始めてみましょう。慣れてきたり、余裕が出てきたりしたら、徐々に積立額を増やすことを検討すればOKです。
  5. 【最も重要】長期的な視点を持つ (どう付き合っていくか)
    • 投資を始めたら、日々の価格変動に一喜一憂しないことが非常に重要です。市場は常に変動しており、短期的には価格が下がることも当然あります。
    • しかし、歴史的に見ると、世界経済は長期的に成長を続けてきました。焦って売却せず、どっしりと構えて長期的な視点で保有し続ける(バイ・アンド・ホールド)ことが、資産形成の成功確率を高める鍵となります。(ただし、将来の市場動向を保証するものではありません。)
    • ドルコスト平均法も長期投資の味方です。毎月定額を積み立てることで、価格が高いときには少なく、価格が安いときには多く買うことになり、平均購入単価を抑える効果が期待できます。価格変動リスクを軽減する有効な手法の一つです。

まとめ:貯金と新NISA、それぞれの良さを活かして、安心で豊かな未来を築こう!

「新NISA」と「貯金」は、どちらか一方が絶対的に正しいというものではありません。それぞれに異なる目的と役割があり、あなたの資産を守り、そして育てていく上で、どちらも欠かせない車の両輪のような存在です。

  • 貯金(預金): 生活の土台となる安心感を確保し、短期的なライフイベントに備えるための「守り」の要。
  • 新NISA(投資): 将来の夢や目標を実現するために、非課税メリットを活かしながら資産を育てる「攻め」の手段(ただしリスクを理解した上で)。

最も大切なのは、まず生活防衛資金という「守り」を「貯金」でしっかりと固めること。その上で、将来のための「攻め」として、無理のない範囲の「余裕資金」で「新NISA」を活用し、長期的な視点で資産形成を始めることです。

このバランス感覚を持つことが、変化の激しい時代においても、お金の不安を軽減し、安心で豊かな未来を築くための鍵となります。

この記事が、あなたが貯金と新NISAを上手に活用し、より良い未来への第一歩を踏み出すためのお役に立てれば幸いです。さあ、今日からできることから始めてみませんか?

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